私の母は、私が幼い頃からお金の管理がとても苦手な人でした。生活が苦しくなるとすぐに借金に頼り、自分の名義だけでなく、父の名義でもお金を借りてしまうようなこともありました。父が大切に管理していたお金を、こっそり抜き取ることさえあり、家族の中での信頼はどんどん揺らいでいきました。
私がまだ小さかった頃の借金は、母方の祖父が肩代わりしてくれたり、母名義の分は自己破産というかたちで整理されました。父名義の借金については、父が毎月きちんと返済を続けていたと聞いています。
しかし、それでも母は借金癖をやめることができず、私が20歳の頃、再び借金を抱えてしまいました。父には知られたくないという母の気持ちから、今度は私と兄が交代で毎月1万円ずつ支払い、母自身も1万円を出して、合計で月2万円の返済を続けていました。しかし、その金額では利息を払うだけで、元本はなかなか減らず、返済が終わる見込みも立ちませんでした。
最終的に、母が無料の借金相談窓口に相談に行きましたが、そこは悪徳業者だったようで、「もう支払わなくていい」と言われ、その通りに返済をやめたことで借金問題は終わりました。結果的には収束しましたが、最初から信頼できる相談先に行ってくれていれば、私たちの負担も軽く済んだのにと思います。
何より、そもそも借金をしなければ、こんな思いをせずに済んだはずです。専業主婦であっても、お金に対する責任感は必要だと、母の姿を通して痛感しました。
