私の叔父さんは水道工事の会社で働いていました。20台後半で係長職に付き、ばりばり仕事をこなしていました。
それから数年後、会社は役所仕事の入札に連続して失敗し、仕事が減ってきたようです。ボーナスや給料のカットがあり、叔父の同僚も辞めて他の職種につく方や独立する方が出てきました。
叔父もそうした流れに乗って独立しました。私が中学生だったかと思います。
一台の軽トラに荷物を積んで、自宅の電話を会社のものにして、水道工事の会社(今思えば個人事業主)を立ち上げました。
職人一筋だった叔父が集客に詳しいわけがなく、飲み屋で仲良くなった人に名刺を配るか、昔の仕事仲間から依頼される仕事しかしていなかったかと思います。
そうこうしているうちに家にいる時間が長くなり、休日が多くなってきたようです。
ある日、金融会社から手紙が届き、不振に思った祖母が開封。借金が発覚しました。
そこからは修羅場でした。祖母はリストカットをし救急車で運ばれ、私の母(叔父の姉)と祖父は借金に激怒。なぜこの額まで膨らむまで相談もしなかったのかと大揉め。
私の母が本屋で借金問題の本を買ってきて、自己破産で解決を試みました。
弁護士にも依頼し、自己破産できるだろうとのことでしたが、裁判所の結果が出るまでは家族一同心休まることがありませんでした。
それ以来、私は借金の怖さを知って、クレジットカードも使わなくなりました。